温泉とは
昭和23年に制定された『温泉法』では、「地中から涌出する温水、鉱水および水蒸気、その他のガス(炭化水素を主成分とする天然ガスを除く)で、湧出口の温度が摂氏25度以上のものか、鉱水1kgの中に定められた量以上の物質が含まれるもの」が温泉と定義されています。つまり、湧出時の温度が25度以上であれば無条件で「温泉」、また、25度未満でも規定物質をどれかひとつでも条件以上含んでいれば、温度が低くても「温泉」ということになります。全国に「温泉」は数多くありますが、「温かい湯」でありさえすれば真水同様でも「温泉」であるし、逆に「温泉」が「温かい湯」であるとも限らないわけです。ところで、日本で1番多い温泉は、無色透明・無味無臭の「単純温泉」と呼ばれる泉質です。「単純温泉」とは“突出した特定成分を含まない”温泉−すなわち、“単なる地下水に1番近い”温泉で、「温泉らしくない」という理由で温泉ファンにはあまり人気がありません。しかし、“万病に効く霊泉”といわれる温泉には、「単純温泉」のものも多く、成分を濃厚に含んでいるものが必ずしもすぐれた温泉であるとはい言えないことが分かります。心身を癒す温泉の効能−それは“温泉の成分”ばかりによるものではありません。湯に浸かって温まることによる温浴効果はさることながら、何より日常から解き放たれ、宿でくつろぎ、おいしいものを食べるといった気分的な効果が大きいと考えられるでしょう。

◆物質名/温泉であるのに必要な含有量(1kg中)
○溶存物質(ガス性のものを除く)/総量1000mg以上
○遊離炭酸/250mg以上
○リチウムイオン/1mg以上
○ストロンチウムイオン/10mg以上
○バリウムイオン/5mg以上
○フェロまたはフェリイオン/10mg以上
○第一マンガンイオン/10mg以上
○水素イオン/1mg以上
○臭素イオン/5mg以上
○沃素イオン/1mg以上
○フッ素イオン/2mg以上
○ヒドロひ酸イオン/1.3mg以上
○メタ亜ひ酸/1mg以上
○総硫黄/1mg以上
○メタほう酸/5mg以上
○メタけい酸/50mg以上
○重炭酸ソーダ/340mg以上
○ラドン/100億分の20キュリー単位以上
○ラジウム塩/1億分の1mg以上
※上記のうち1項目でも満たしていれば、『温泉法』に規定される温泉ということになります。
源泉掛け流しとは
2001年秋以降、レジオネラ菌なるものが世の中を騒がせています。その騒ぎのなかでクローズアップされたのが「源泉掛け流し」という言葉です。「源泉掛け流し」は「循環式」と対で使われることが多く、「源泉そのままの湯を循環再利用せず、湯船からあふれるままに掛け流して使用する」ことで、「循環式」とは「湯船の湯を循環させて浄化、再利用するシステム」のことです。最近「循環式」が“ワルモノ”、「源泉掛け流し」が“正義の味方”であるかのように見なされる風潮がありますが、その実態はどうなのでしょうか!?
泉質とは
含まれる成分(通常は溶け込んでいるイオン状態の物質)によって温泉を分類し、湯の特色を示したものです。効能と深い関係がありますが、泉質が同じだからといって、必ずしも効能が同じというわけでもないので、泉質と効能の関係は、あくまでもひとつの「目安」と考えておきましょう。
ちなみに日本の泉質は、単純温泉、硫黄泉のほか、塩分を多く含んだ塩化物泉が多くみられます。
効能とは
「温泉療法」という言葉があるように、温泉は病気の治療に効果があるといわれています。1日や2日温泉に浸かったからといって、たちどころに病気が治るというわけではないのですが、温泉に浸かることによって血行が良くなり、また気分も爽快になることで、薬理作用以上の効果が期待できるともいえます。
そのため泉質を問わず、あらゆる温泉に共通する適応症として疲労回復、健康増進などが挙げられています。

泉質
特色
単純温泉 多くが無色透明・無臭。一見普通の湯と変わらない。
二酸化炭素塩泉 炭酸泉。湯に炭酸ガスが溶け込んでいる。
炭酸水素塩泉 重曹泉。ヌメヌメするような感触がある。
塩化物泉 食塩泉。なめるとしょっぱく、海岸付近に多い。
硫酸塩泉 芒硝(ぼうしょう)泉。主に飲用に用いられる。
含鉄泉 鉄泉と緑礬(りょくばん)泉に分かれる。
硫黄泉 硫化水素を主成分とする。
酸性泉 日本特有の泉質。この泉質をもつ温泉は少ない。
放射能泉 ラジウム泉の名で呼ばれることが多い。